中国の星座占いは日本と違う?現地のおもしろ8つの豆知識!

中国文化

中国でも星座という考え方があり、その歴史はとても長いです。その長い歴史の中で中国における星座は大きな変化をしてきており、日本人が知らない星座もたくさんありました。

星座というと世界共通の同じ概念であると錯覚してしまうこともありますが、長い歴史を持つ中国はその文化と国の背景を大きく受け、独自の星座を持っていたのです。そこで今回は、中国の星座について詳しくご紹介します。

 

中国の星座占いは日本と違う?現地のおもしろ8つの豆知識!

 

1. 古の先進国は星座も先進

数千年の歴史を有する、古の先進国である中国。世界四大文明のひとつとされる黄河文明発祥国である中国には、現代にも通じる様々な仕組みや制度、文化を生み出して来ました。漢字という文字もその一つであり、星座もその一つに数えられます。そうです、中国には私たちが知っている星座とは違う星座の概念があったのです。

ただ、1922年に国際天文学連合(IAU)の設立総会で、ギリシャ神話を元にした88星座の名前と略語が定められ、グローバル・スタンダードとして現代に至っています。ですから、現代の中国でも、古来中国の星座ではなく、この88星座が星座として認識されています。とはいえ、中国では古来から独自の星座の歴史を有し、現代中国にも独自の星座観が残っています。詳しくご紹介しますね。

2. 二つの星座の概念

古来、中国には大きく分けて二つの星座の概念が存在していました。一つは二十八宿という概念です。

私たちが知っている星座は西洋の天文学をベースにしており、黄道を回る太陽を基礎にした黄道十二宮であったのに対して、中国の天文学は天の赤道を回る月の周期に沿って二十八宿と言う星座をグループ化しました。二十八宿には、四つの方角である、青龍、玄武、朱雀、白虎で七宿ごとに分けられた四象を構成し、この四象の概念は現代にも残り、結婚式や習い事、住居建築等で、吉凶を占う為に利用されています。

もう一つの概念は、古代中国の身分制度が如実に反映された250余の星座グループです。北極星を天の皇帝として中心に据え、同心円状に皇族、官僚、軍隊、庶民という様に星座が配列され、北極星から遠ざかれば遠ざかる程庶民的な星座になるという、ヒエラルキーに拠る星座の概念でした。唐の司馬貞の「星座に尊卑あり。人の官曹列位のごとし」と言う言葉が残っており、このことを証明しています。この二つの星座概念が、古来中国の星座概念としてありました。

3. 二十八宿

二十八宿はそれぞれ、東方青龍、北方玄武、西方白虎、南方朱雀と呼ばれる4つの方位の七宿毎にまとめられています。

東方青龍「角、亢、氐、房、心、尾、箕」
北方玄武「斗、牛、女、虚、危、室、壁」
西方白虎「奎、婁、胃、昴、畢、觜、参」
南方朱雀「井、鬼、柳、星、張、翼、軫」

それぞれの宿に、吉凶を表す意味を有しています。例えば、当方青龍の角には、結婚に吉、葬式に凶という意味があります。いわば星座占いという訳です。

 

 

4. 250余の星座グループ

北極星を天の皇帝として中心に据えた、同心円状の250余の星座グループは、皇帝の近くに皇太子である太子の星が鎮座し、天妃、宦官、家臣の最高位である三師、三公、五諸候、尚書、九卿、車騎、将軍、虎賁等が同心円状に配されて、完全な階級社会を表現しています。ちなみに、皇帝から最も離れた星座には、天厠や屎等、不衛生で差別的な星座が配されています。

5. 占星術

古来より中国皇帝は、天からのメッセージを受け取り地上を支配する命を受けた最高権力者であり、そのメッセージによって、領土領域でより良い政治を行なうリーダーと位置付けられて来ました。根本には天が世界を支配し、あらゆる天文現象を通じて地上にメッセージを送っていると考えられていたからです。そのメッセージを解読する占星術は、歴代中国王朝において最も重要な職能の一つに数えられていました。

ですから、常に天を観察する天文官僚と占星術師は、その変化や吉凶を皇帝に報告する重要な役割を負っていました。中国では星座の一つ一つに全て意味が込められていました。ですから、占星術は中国において、とても重要なものだったのです。

6. 星座の現代化

古からの歴史的背景と、政治性、社会性、習俗性を有していた中国の星座ですが、やがて古来の星座や占星術の概念はフェードアウトしてしまいます。1911年の辛亥革命がその大きなきっかけを作りました。その後、前述の国際天文学連合(IAU)の設立総会定められた88星座の名前と略語が、中国でも一般化するのです。古の歴史が、グローバル化の波に消されて行ったのです。何か運命的です。

7. 星座占いは日中共通

さて、古からの星座についてをご紹介して参りましたが、現代的な星座事情についてもご紹介しておきましょう。日本でも一般的な、誕生日による星座占いは、中国でも一般的です。ただし一つだけ違いもあります。それは、中国人は星座占いを二つ楽しんでいるのです。

というのも、中国ではあなたの知っている西暦と、古来からの旧暦が併存しています。中華圏以外の国が認識するハッピーニューイヤーは、中国人にとってはカレンダー上だけの感覚で、毎年元旦の日付が毎年変わる旧暦の元旦こそが本当の元旦で、中国全土で大騒ぎをして年を越します。この様に、二つのカレンダーを持つ中国の皆さんは、誕生日の星座占いも、都合よく二つから判断しています。つまりいいとこ取りして楽しんでいるのです。

8. 星座表現中国語編

それでは最後に中国語講座。12の星座の発音をご紹介致します。

牡羊座(ムーヤンズォー)
金牛座(ジンニューズォー)
雙子座(シュアンズ゛ズォーオ)
巨蟹座(ジュシエズォー)
獅子座(シーズズォー)
處女座(チューニューズォー)
天秤座(ティエンビンズォー)
天蠍座(ティエンシエズォー)
射手座(シャショウズォー)
摩羯座(モォジェズォー)
水瓶座(シュイビンズォー)
雙魚座(シュアンユゥズォー)

ここで全部覚えてしまいましょう!

 

 

まとめ

いかがでしたか?
星座は世界各国でそれぞれにグルーピングや意味の違いがありますが、このように中国にも古くから独自の星座概念が存在していたのです。しかし現代の中国では、星座はグローバル・スタンダードの流れに収斂されて日本と同様な星座の考え方で、星座占いも日本と同じように行われています。

これを機に、中国の歴史と星座の移り変わりをぜひ覚えてみてくださいね!

 

中国の星座占いは日本と違う?現地のおもしろ8つの豆知識!

1. 古の先進国は星座も先進

2. 二つの星座の概念

3. 二十八宿

4. 250余の星座グループ

5. 占星術

6. 星座の現代化

7. 星座占いは日中共通

8. 星座表現中国語編

 


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家族で中国に駐在しておりました鎌倉在住のコンサルタントです。サッカー観戦、楽器演奏、腕時計収集、帽子、海外旅行、街歩きが趣味のおじさんです。中国に関するコンサル、講演、執筆、ガイド等も承ります。生身の中国を是非多くの皆さんに知って頂きたい想いでお仕事させて頂いております。どうぞ宜しくお願い致します。

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